「ちょっと、アンタたち!どーしたの?その顔!」
蓮くんと蒼くんと優太くんは目が腫れていたり、口から血が出ていたり怪我をしている。
結衣ちゃんはビックリしたように声を上げたけど、顔は笑っていた。
「うるせぇよ!」
蓮くんもそう言って笑う。
先生は怪我はしてなくて……。
「樹里?救急箱、持って来てくれ」
「うん」
樹里ちゃんが救急箱を持って来て、結衣ちゃんと樹里ちゃんと先生が男の子たちの怪我の手当てをする。
「……って!もっと優しくしろよ~」
「いってー!」
「男の子でしょ?このぐらい我慢する!」
樹里ちゃんが蓮くんにそう言って、顔にカットバンと貼っていく。
私は、そんな光景をただ見ることしか出来なくて……。
皆が、私のためにやってくれたことなんだと思うと胸が痛んだ。



