全速力で走り、息が上がる。
先生のマンションに着いた。
急いでエレベーターに乗って、先生の部屋の前まで来た。
「春風ちゃーん!」
玄関を開けて、先生の名前を叫ぶ結衣ちゃん。
「だから春風ちゃんじゃねぇって何回も言ってんだろ!」
そう奥から聞こえてきて、先生が玄関で出て来た。
「いい加減、学習しろ!」
そう言って玄関に来た先生は、私の姿を見て目を見開いた。
「日和……」
私は先生の顔を見ることが出来ず、ずっと下を向いたままだった。
「春風ちゃん!大変なの!○○公園で蓮たちが喧嘩して……」
「はぁ?何やってんだよ!あいつら……」
先生は溜め息混じりりにそう呟いた。
「ちょっと行って来るから、お前らはここで待ってろ。俺が出たらすぐに鍵をかけろよ?」
「うん」
樹里ちゃんが返事をする。
先生はサンダルを履き、慌てて外に出て行った。



