「樹里!結衣!日和を連れて、かべっちのところへ行け!」
蓮くんがそう叫んだ。
「わかった!」
樹里ちゃんと結衣ちゃんが、蓮くんたちにそう言って私の方に駆け寄る。
「日和?大丈夫?起きられる?」
私は“コクン”と頷き、樹里ちゃんと結衣ちゃんに手を貸してもらいながら起き上った。
その時、マイの姿が目に入る。
マイは唇を噛みしめながら、私の方を睨んでいる。
でも、その目は凄く悲しそうで……。
私は思わずマイから目を逸らした。
「樹里、日和に羽織るもの貸してあげて?」
「わかった」
樹里ちゃんは自分が着ていたパーカーを脱いで、私の肩にかけてくれた。
「いい、日和。走るよ」
結衣ちゃんの言葉に頷く私。
樹里ちゃんと結衣ちゃんに手を取られ、私は思いっきり走った。



