【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空




お兄ちゃんが私の髪の毛を離した時、私は這って玄関まで行こうとした。



「待てよ!」



だけど、再びお兄ちゃんに髪の毛を掴まれる。


そして、お兄ちゃんは私の体の上に馬乗りになった。



「そんなに、あの男がいいのかよ。俺よりあの男に抱かれる方がいいのかよ!」



私の肩を掴んだお兄ちゃんは、そう言いながら私の体を力強く揺すった。


上半身が前後に激しく揺れ、ガンガン床に叩きつけられる。



「何とか言えよ!なぁ、日和!」



目に溜まった涙でお兄ちゃんの顔が歪んで見える。


瞬きすると、目に溜まった涙は目尻を通って流れ落ちていく。



「お兄ちゃん……。おかしいよ……狂ってるよ……」



私は静かにそう言った。