「わかりました。他、行きます……」 「おう!そうしろ」 「ご迷惑をおかけしました」 私は彼に頭を下げた。 そして屋上の扉に向かって歩き出す。 「おいっ!」 後ろから彼の声が聞こえ、立ち止まる。 「ここ、立ち入り禁止だから……」 私は彼の方に振り向き、再び頭を下げた。 アナタだって、入ってるくせに! 「あっ!今、テメェも立ち入り禁止場所に入ってんじゃん!って思ったろ?」 私は素直に頷いた。 「俺は住人だからいいの」 そう言って彼はニカッと子供のような笑顔を見せた。