【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空




声にならない声が出る。


私のお腹や背中を蹴り続けるお兄ちゃん。



「やめ、て……。お願い……」


「うるせぇ!俺から全てを奪ったくせに……。男とイチャイチャしやがって!」



そう言いながら私の背中を蹴る。



「違う……。そんなんじゃない!」



違う、先生とはそういう関係じゃない。



「お前はさぁ、俺から全てを奪ったんだよ。夢も希望も何もかも奪ったんだよ。わかってんの?なぁ?そのセイで俺がどんだけ苦労してるのわかってんのかよ!毎日、毎日、どんな思いで生きてんのわかってんのかよ!」



蹴るのをやめたお兄ちゃんは、私の髪を引っ張り上げ、顔を近付けてそう言った。



「なのに、お前は男とデートかよ」



お兄ちゃんはそう言って鼻で笑った。