「言えよ!早く言えよ!」 「知らない……。言いたくない……。お兄ちゃんには言いたくない!」 私の言葉に、お兄ちゃんが目を見開いて私を見た。 一緒に暮らし始めてから、お兄ちゃんに反発したのは初めてだった。 「てめぇ……。ふざけんじゃねぇよ!」 お兄ちゃんは私の髪を掴んで引っ張る。 髪の毛が全て抜け落ちるんじゃないかと思うぐらいの力で引っ張られる髪。 そのままベッドから引きずり降ろされる。 「お前さぁ、自分の立場わかってんの?」 お兄ちゃんはそう言って、私のお腹を蹴ってきた。