【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空




私の前まで来たお兄ちゃんは、いきなり私の胸ぐらを掴んだ。


力強く胸ぐらを掴んだお兄ちゃんの手がプルプルと震えていて……。


私の首に食い込んできて苦しくて顔が歪む。



「さっきの男、誰?」



静かにそう聞くお兄ちゃん。



「さっき、の、男?」


「アパートの前まで車で送ってもらった男だよ」


「えっ?」



先生のこと?


お兄ちゃん、見てたの?



「し、知らない……」



私は頭を左右に激しく振った。


お兄ちゃんに、もし先生のことがバレたら……。


そう思って私は嘘をついた。