先生と別れたあと、ゆっくりとアパートの廊下を歩く。


お兄ちゃんと住む部屋の前まで来て、いつものように小さく深呼吸して玄関を開けた。


玄関に置いてあるお兄ちゃんの靴。


お兄ちゃんは家にいるみたいだけど、ダイニングは電気が消えていて、自分の部屋にいるんだろう……。


私は、静かに靴を脱いで、なるべく足音を立てないようにゆっくりと自分の部屋に入った。


ホッとしたのも束の間……。


私がベッドに腰を下ろしたと同時ぐらいに、部屋のドアが勢いよく開いた。