「まぁ、そういうことだから。てか、彼女いたら休みの日に塾なんて開かねぇし、日和のお願いも聞いてやってないよ?」
「そうなんですか……」
「俺、好きな女しか見えねぇタイプだから、他の女と遊びに行くなんて考えられねぇし」
「意外、ですね……」
「あのなぁ……」
先生はそう言って、前を見ながら私の頭をポンとしてきた。
そんな会話をしていると、いつの間にか先生と最初に出会った公園の前まで来ていた。
「家の前まで送るから。道、教えて?」
「公園まででいいです」
「夜遅くに、子供を1人で帰らせれるかよ」
「本当に大丈夫なんで」
「ダメ。それは出来ない。教えねぇんだったら、うちに連れて帰るぞ?」
「えっ?」
私は先生を見た。
「だから早く教えなさい」
先生が急に先生口調に変わる。
先生の家に連れて帰られてもいい。
本気でそう思っている私がいて……。
でも、それは出来ないとわかってる。