ゴンドラがグングン上がって行き、下にいる人たちが小さく見えていく。
ゴンドラからは綺麗な夜景が見える。
結局、先生と観覧車に乗ってる私。
向かい合って座る先生と私はお互い、何も話すことなく窓の外に広がる夜景を見ていた。
“ドクン――ドクン――”
さっきから胸が、はち切れそうなぐらい鳴っている。
自分の胸の音が耳の中に響いて、先生にも聞こえてるんじゃないかと思うぐらい。
外を見ながら、時折、先生の方に目をやる。
窓のところに肘をついて窓の外を眺めている先生。
窓から射す街灯の光が先生の顔を照らしていて、凄く綺麗。
「あ、あの……先生?」
この空間に耐えきれなくなった私は先生に声をかけた。



