「やっぱあれじゃね?恋人同士に見えるんじゃね?」
先生はそう言って、再びノンアルコールビールを飲む。
えっ?恋人同士?
私と先生が?
“トクン”と胸が小さく跳ねた。
それから顔がカーと熱くなっていく。
「お前、顔が赤いぞ?」
「えっ?えっ?」
先生にそう言われて、私は慌てて手で顔を押さえた。
「何、慌ててるんだよ~」
「だ、だって、先生が変なこと言うから……」
「そうか?俺はお前の疑問に素直に答えただけだけど?だって俺と日和は親子には見えないだろ?兄妹でこんなとこ来ねぇしな。だったら自然と恋人同士って考えるんじゃね?」
「そ、そうですけど……」
「普段は日和は俺の生徒みたいなもんだけど、今日はデートだからな。まぁ、あながち間違ってねぇわな」
デ、デート!?
しかも間違ってないって……。
私の顔は、益々熱くなっていった。



