「死ぬのは勝手だけどさ、飛び降りるんなら他のとこからにしてくんねぇかなぁ?」
「えっ?……はい?」
「迷惑なんだよね……」
彼はそう言って、クルッと向くとフェンスに背中を預けた。
「迷惑、ですか?」
「うん。とっても」
「でも、私が死のうがどうしようかアナタには関係ないじゃないですか!」
何で初対面のアナタにそんなこと言われなきゃいけないの?
私は力強くそう言い放ち、手をギュッと握った。
「うん、関係ないよ。お前が死のうが生きようが俺の知ったこっちゃねぇ。別に止める気もねぇし」
「……だったら!」
だったら、そんなこと言わないで!
アナタに私の苦しみがわかる?
誰にも必要とされてない苦しみ。
生きていく辛さが。



