「ほらほら、早く」
先生は冗談っぽく、そう言って私を急かす。
「あの……」
「うん」
「笑わないで下さいね」
「うん、笑わねぇから早く言え」
本当に笑わない?
本当に本当?
「あの、私……遊園地に、連れて行って欲しいです……」
「は?遊園地?」
やっぱ嫌だよね。
笑っちゃうよね。
15にもなって遊園地なんて……。
「そんなことでいいの?」
「えっ?」
「いや、お前がそれでいいなら俺は構わないけど……」
「はい。遊園地に連れて行って下さい」
「夕方からでもいいか?俺、土曜日、仕事だし……」
「はい」
「じゃあ、土曜日の夕方17時に○○駅東口の広場で待ってろ」
「はい」
先生と初めて行く遊園地。
約束は土曜日なのに、私の胸は今からドキドキしていた。