「あの……せんせい?もう、離して下さい……」
これ以上、抱きしめてもらっていたら、私、おかしくなっちゃうよ。
「あ?あぁ、ゴメン……」
先生が私から離れる。
「いえ……」
「おー、重かった。てか、早く離してって言ってくんねぇかなぁって思ってたんだよなぁ」
先生はそう言って、手で肩を押さえていた。
「えっ?私、重かった、ですか?」
「は?」
先生が目を見開いて私を見る。
「いや、だから……さっき……」
「冗談に決まってんだろ?お前が重かったらさぁ、世の中の女なんてどうなるよ?お姫様抱っこなんて出来ねぇっつーの」
「あ、冗談ですか……」
私はそう言って力無く笑った。



