【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空




先生はそれ以上、何も言わず私が泣き止むまで、ただ、頭を優しく撫でてくれていた。


どれぐらいの時間、先生は私を抱きしめてくれていたんだろう……。



「先生?」


「あ?泣き止んだか?」



私は“コクン”と頷く。



「やっと泣き止んだか。ホントにお前は泣き虫だよな。細い体のどこにそんな大量の水分が入ってんだよ?お前、いつか体が干からびるんじゃね?」



先生はそう言って笑ってた。



「……ぷっ」



そんな先生を見て、私は思わず吹き出してしまった。



「なんだ?日和。お前、笑えるんじゃん」


「えっ?」


「日和の笑った顔、初めて見たかも」


「そ、そうですか?」


「あぁ。ガキはさ、ガキらしく、そうやって笑ってればいいんだよ」



先生はそう言って、再び私の頭を撫でてきた。