【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空




“ドクン――ドクン――”


胸の鼓動が激しく鳴り続ける。


胸の音が先生にも聞こえそうで怖い。


顔が熱くなっていくのがわかって、恥ずかしくて先生を見ることが出来ない。



「なぁ、日和?」


「……はい」


「生きることは、楽しいことばかりじゃない。辛いことも悲しいことも苦しいこともある」


「うん……」


「でもな、死んでしまったら、そこで終わりなんだよ。楽しいことも辛いことも悲しいことも苦しいことも何もかも、全て出来なくなってしまうんだよ」


「うん……」



“ポタ――ポタ――”



涙が溢れていき、溢れた涙は頬を伝い落ちていく。



「死にたいと思う気持ちを、生きる勇気に変えてみろ。さっきも言ったけど、生きていく上で辛いこと、悲しいこと、苦しいこともある。何かの壁にぶつかることだってある。でもな、それを乗り越えた時、絶対に良かったと思えるし、楽しいこともあるから……。生きてて良かったと思えるから……」