夏の太陽に照らされた彼の横顔は驚くほど美しく“ドクン”と胸が高鳴った。
「それ、本気?」
「えっ?」
沈黙を破ったのは彼だった。
フェンス越しに遠くを見つめたままの彼にそう言われ思わず声が出た。
「本気で死にたいと思ってんの?」
彼がタバコの煙を吐き出す。
吐き出された煙は、風に揺れて消えていく。
「……はい」
「ふーん……って、何で?」
彼が横目でチラッと私を見る。
何で?って……。
それは……。
「別に話したくなければ話さなくていいけど」
彼はそう言って、短くなったタバコを下に落とすと、サンダルで揉み消した。



