「早く答えろ!」 肩が“ビクン”と揺れる。 “ポタ――ポタ――” コンクリートの床に涙が落ちていく……。 「泣いてちゃわかんねぇだろ?」 「…………し」 「はっ?聞こえませーん。もう少し大きな声で言って下さーい!」 「…………死のうと……思って……」 私はコンクリートの床に目線を落としたまま、さっきより少し大きな声でそう言った。 しばらく続く沈黙。 ゆっくりと顔を上げていく。 私の前にいた彼は、私の隣に移動していて、タバコを吸いながら、フェンス越しに景色を見ていた。