サンドイッチを半分ぐらい食べ終わった時、トイレに近付く賑やかな声。
その声はトイレに入って来た。
サンドイッチを食べている手を止め、自分の気配を消す。
「でもさぁ、マイたちもちょっとやり過ぎだよね~」
「ホントに~」
「水沢も抵抗すればいいのにしないし……」
何人の女子がいるのかわからないけど、個室の外にいるのはマイたちがやってることを見て見ぬふりする子たちだとわかる。
「じゃあ、ユカが止めてあげればいいじゃん」
「やめてよ~!そんなことしたら、今度はこっちがターゲットになっちゃうじゃん」
「確かに」
ユカたちのグループだったのか……。
ユカたちの笑い声が聞こえてくる。
「てかさぁ、何でマイはあんなに水沢をイジメるわけ?
「えぇ?ユカ、知らないの?」
「えっ?何が?」
「マイが水沢をイジメる理由」
マイが私をイジメる理由?
何、それ……。
両親のこと以外に何か理由があるの?



