何も言わず、黙々と探し続ける私に苛立ったのか、マイは机の椅子を蹴ってきた。
“ガンッ”と蹴られた机の音が教室中に響く。
「ムカつく……」
そう吐き捨てるように言うマイ。
だったら、そんなこと最初からしなくていいじゃん。
マイは私の机の上に教科書を落とした。
そして取り巻きを連れて、自分の席に戻って行った。
机の上の教科書。
それを手に取ってペラペラと捲る。
切られてるページがあったり、破られているページがあったり……。
“死ね”“きもい”“うざい”と、お決まりの言葉が書かれたページ。
あ……ペンで書かれちゃってる……。
前まではシャーペンで書いてたから消すことが出来たのにな……。
ペンで書かれたら消せないじゃない。



