私が教室に入ると、皆が一斉にこちらを見る。
なるべく皆の顔が見えないように下を向いて、自分の席に着いた。
「朝さぁ、水沢に殺されるかと思ったよ~」
朝、足を引っ掛けて来た彼女が、大きな声でそう言った。
「えぇ?マジ?」
その声に皆、彼女の方を向く。
「マジマジ、ワザと足を引っ掛けたわけじゃないのにさぁ、睨みつけてきてぇ……。水沢は人殺しの娘じゃん?だからマジ、殺されるかと思ったわ~」
彼女の声に周りにいた者がクスクス笑う。
こういうことを言われるのは慣れてるはずなのに、長い休みの間に免疫が解けたのかキツイな……。



