「そこで何をしてる」 表情を変えず、そう言いながら私へと近付いて来る彼。 蛇に睨まれた蛙のように動けない私。 「何をしてるって聞いてるんだ。お前、耳聞こえてるんだろ?しゃべれるんだろ?」 彼の言葉にコクコク頷く。 彼が私の前に立つ。 180センチ以上ありそうな長身。 そんな彼は私を見下ろしている。 “トクン”と鳴る胸。 恐怖と恥ずかしさが混ざり、顔を上げられない。 私はコンクリートの床に目線を落としていた。