「あいつらも、うちに来始めた時にはガキのくせに、すっげー粋がっててさぁ。でも時折、ふとした瞬間に寂しそうな顔を見せるんだよ。強がってるくせに本当は大人に甘えたい、ワガママを言いたい。でもそれが出来ない……。日和と同じなんだ……」
「うん……」
私は階段下に見える砂浜に目を移した。
「だからって、あいつらと仲良くしろとか、お互い傷の舐め合いをしろとか言わない。だって友達って同じ境遇だからとかって理由で作るもんじゃないだろ?」
「うん……」
「でもな日和も、もう少し人に頼ってもいいと思うぞ?」
「えっ?」
私は顔を上げて先生を見た。
「頼れる人がいないんだったら俺でもいいし、あいつらでもいいと思う」
「先生……」
先生は私の頭を優しく撫でてくれた。



