「あいつらもさ……」 先生は海を見ながら呟くようにそう言った。 あいつらって、塾に来てた皆のことだよね。 「日和と同じ境遇の子たちなんだ……」 「えっ?」 私と同じ境遇? 「親が再婚して家庭内が上手くいってなかったり、親と死に別れたり……。虐待されたりな……。それが理由でイジメられて不登校になって……」 先生の家で見た皆は、とても明るくて、そんな風には見えなかった。 「あいつらさ、あんな風に明るいけど心に闇を抱えてるんだよ」 「……うん」 私は先生の話に頷くことしか出来なかった。