「おいっ!」



フェンスに足をかけた時……。


後ろから声が聞こえた。


“ビクン”と肩が揺れる。


足を下ろし、振り向くと、そこに1人の男性が立っていた。


Tシャツにジーンズなラフな格好をした若い男性。


このマンションの住人なのか……。


太陽が眩しいからなのか、見知らぬ女に警戒しているからなのか、眉間にシワを寄せた怪訝そうな表情。


茶髪で無造作ヘアとは言えないボサボサの髪。


筋の通った高い鼻。


形のいい唇。


そして私を見る切れ長の目。


俳優かモデル?と思えるほど中性的な綺麗な顔立ち。


でも、その中に男らしさを感じる。


彼は、ゆっくりと、こちらへ向かって歩いて来る。


私は動けず、ただただ歩いて来る彼を見ていた。