先生が運転する車は、街中を抜けて行く。 どこへ行くんだろう……。 私は助手席の窓から見える景色を目で追いながら、そんなことを考えていた。 先生の車が止まったところは、先生のマンションから遠くにあるファミレス。 先生のマンションから歩いたところにも同じファミレスはある。 なのに、何で車でしか行けないようなところをわざわざ選んだんだろう……。 「行くぞ」 先生はそう言ってエンジンを切ると、車から降りた。 私も慌てて降りる。 そして先生のうしろについてファミレスの中に入った。