エレベーターにのって自分の階を押す。




「ねぇ潤ちゃん。潤ちゃんは彼女いないの?」





「なんだよ、急に。」




「ん?ふとおもったから」




「いないよ。」




「えっ!?あの高校時代遊びまくってた潤ちゃんが!?」



「はははっ、軽くひどいこというねー。あのときはやけになってただけ。」





「へ?なんでやけなんかになるの?潤ちゃんモテまくりだったじゃん。」




「そんときはさ、気づかなかっただけでさ」



「何を?」



「俺、好きなやついることに」




「そうなんだ」





「うん。なんかそいつのこと考えるといつのまにか笑顔になってたり、そいつが男と帰ってたらむかついたり。それで気づいたわけ。」






「へー。潤ちゃんも恋してたんだねー?自分で気づけるってすごいね!私友達にいわれてやっときづいたもん」





「えっ?」




「潤ちゃん、今でもその人のこと好きなの?」






「好きだよ」







潤ちゃんは急に足を止める。







「紗耶乃、好きなやついんの?」





「えっ?何っ!?急に」




「いんの?」