あいつとは 幼馴染で一つ上の桑名楓(くわなかえで)のことだった。 昔からずっと一緒で お姉ちゃん的存在だった楓。 けど 俺が中2で楓が中3のとき 俺に 「奏、この人私の彼氏なんだ」 そういって 幸せそうに笑顔を向けた楓に 「おめでとう」 って いってやれなかったんだ。 昔から 大切な人が早くほしいっていってたから 一番に「おめでとう」っていってやりたかったのに その言葉は 俺の口からは出なかった。