限界がきたところで 唇が離れた


「何で言わないの…?」

急な質問がとぶ
でも、あたしは答えられなかった。


「昔から…ずっとこう…何かあっても親にも言わないで、1人で崩れて……それを俺が見つけて…」


いつもより、少しかすれた勇作の声。



「華音、答えて…何で…?」

また優しい声で聞いてくる。


「何でも…ない…からっ」

そう言いながら、あたしはベットに倒れていた体を起こした

そして、今すぐここから逃げ出したくて、床に足をつけた。

だってこのままじゃ、またこの前みたいに勇作の胸に飛び込んで…

泣いてしまいそうだったから。