突然の声に驚いて、痛みを忘れて勢い良く立ち上がる。 「大丈夫?」 もう一度そう言って、頭を傾げる長身の男の子。 「はい、大丈夫…です…すみません」 「手伝うよ」 私の言葉をスルーすると、散らばった野菜を拾い始めた。 慌てて、私も野菜を拾う。 「あ、あの……」 人参を拾いながら、声をかける。 すると、玉葱を拾う男の子の手が止まった。 「ん?」 「……ありがとうございます」 「どういたしまして」 すると、男の子は爽やかに笑った。 .