「似合ってるよ!」
それに合わせるかのように「そうですね」と重なる店員さんの言葉。
なんだか店員さんの笑顔が堅い気がすると、気のせいかもしれないのに、私はそう解釈していた。
そうだよね、鏡を見た時点で自分が一番気づいてる。
―――ラフなTシャツとズボンのシンプルが一番自分には合ってるって。
二人に見られてるのが恥ずかしくて、私はつい下を向いた。
「さくちゃん」
ふいにそう言われて、顔を上げる。
「こっちの方がいいよ」
「わぁ…」と店員さんはそう驚いている。
ぼやける視界に、二人の表情が分からない。
「あ、メガネ…何にも見えないよ、みほちゃん!」
だから、私は突然の出来事に頭が回らなかった。
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