「みほちゃん……あの人がいたの!」
早く話さなきゃと、私は思った。
「え?」
「さっき出て行った黒縁眼鏡の人……」
「あ、私を思った!かっこいいって」
直感でそう思うなんて、凄くビックリした。
「そうじゃなくて…カフェにいた人なの。みほちゃんの…」
そう言い掛けたとき、みほちゃんの目が大きく見開く。
「嘘、そんな訳……」
そう言われると、間違いないのに不安になってくる。
「みほちゃん……私」
「私、行ってくる!」
突然私の言葉を遮ると、教室に向かって勢いよく走り出した。
「待って!みほちゃんっ」
―――出遅れた私が教室を出たとき、もうみほちゃんの姿はなかった。
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