「あ、コレ、みゆうももってる!」 突然そう言って、笑みを浮かべたから、私は驚いた。 気のせいだと思うけど、一瞬あの男の人の笑顔と重なる。 そして、あのときと似た風が私の髪をなびかせた。 「お、ねえちゃん……?」 「みゆ! 」 その声にはっとして、勢い良く後ろを振り返る。 私は驚きながらも、その人を目で追った。 「危ないから、乗るなって言っただろ?」 その人は屈むと、女の子についた砂を払う。 .