そのとき、公園の中にいる女の子がピイントが重なるみたいに目に入った。
その子は、砂の上に倒れていて、その周りには鞄の中身がちらばっている。
私は、すぐその場に駆け寄った。
「大丈夫?」
そう言いながら、小さな女の子抱き抱えてその場に立たす。
「ありが、とう……おねえちゃん」
大きな眼に涙をいっぱい溜めてながら、その子は口を開いた。
小さな膝に赤くにじむ傷が痛々しく見える。
「ちょっと待っててね」
そう言って微笑むと、鞄を置いて立ち上がった。
そして、スカートからハンカチを取り出すと蛇口を捻ってそれをぬらした。
.
