「あ…の、あのっ!」
小さく甲高い声に、
私じゃないよね。とその声を無視して窓に顔を向ける。
「あの……」
ふいに肩を叩かれ、びくっと震わす。
え、私?
何かの間違いじゃないのかな……?
そう疑いなから、首だけをゆっくりと後ろを向けた。
そこには、可愛い女の子が座っていた。
「あ…あの」
「何、ですか……?」
つい人見知りの癖で、口調がおどおどし、消え入りそうな声になる。
「あの……あたしのこと覚えてない?」
突然そう言われて驚きながらも、頭を駆けめぐらして考えてみる。
「い、え……」
よく考えたら、友達もいない私は、見覚えなんてあるはずもない。
「勘違い、だと思います……」
.
