みーちゃん、眠たそう…そっと寝かしておこう。
そう思いながら、私はみーちゃんを撫でた。
みーちゃんの毛は滑らかでふわふわとしている。
後ろから当たる日の光が心地よくてだんだん瞼が重くなってきた。
そして、いつの間にか私は眠りの世界にへと堕ちていった。
それに気づいたのは、微かに聞こえてきた季節はずれの冬の歌だった。
ゆっくりと目を開けながら、左手で制服のポケットを探る。
そして、体を起こすと通話ボタンを押した。
「はあい……もひもし」
寝ぼけながら出たのか、うまく呂律が回らない。
「桜…寝ぼけすぎよ」
「いつのまひか…寝てた…ふわぁ」
そう言いながら欠伸をしていると、電話越しでお母さんは軽く笑っていた。
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