男の子は、恥ずかしそうに頭を掻いた。



「それ、妹に貰ったんだ。」



そう話す男の子は、照れたような、優しい顔をしていた。



「そうなんですか…でも、そんな大切なもの貰えないですよ…」



大切そうに持っている、差し出す手を見ながら、手を左右に振る。



そんな私を見て、フッと笑った。



その瞬間。



いきなり勢い良く私の手を掴み、絆創膏を手に置きその手を包んだ。



どきん、どきん。



心臓が凄い音を鳴らし始める。



全身が凍り付いてしまって、何も言えない。




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