「あ、あの…!」 このまま、黙って行くのは嫌だった。 男の子は、爽やかに振り返る。 「あ、あの…ありがとうございました!」 そう勢い良く言うと深く頭を下げた。 「怪我」 「……え?」 男の子は、近づいて来る。 なんでなのか分からないけど、緊張する。 「これ、使って」 差し出されたのはウサギのプリントをした絆創膏。 「かわいい……あ」 思わずそう言ってしまい、口を噤んだ。 ……何を言ってるの、私! .