私は、上田 桜(うえださくら)。
名前の通り心地良い春生まれ。
この名前は可愛いと思ってるからとっても気にっている。
勢い良くドアを開けると鈴の音がこっちに近づいて来た。
靴のまま玄関に膝を乗せると“みーちゃん”を抱き上げた。
「ただいま、みーちゃん」
「にゃーあ」
みーちゃんは、真っ白な毛をした私の愛猫。
私にとって、とても大切な存在なんだ。
「みーちゃんリビングに行こっか」
私は靴を脱いで、そのままみーちゃんを抱き上げながらリビングへと入って行った。
部屋に入ると誰も居なくて、中は閑散としていた。
「みんな、出掛けてるね……」
「にゃーあ」
みーちゃんに話しかけながら、ふかふかのソファーに座る。
そして鞄を置くと、膝に載っているみーちゃんが目を閉じていた。
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