翼side


あいつ…。


俺は、あいつが出て行ったドアを見つめたまま、みんなの話を聞いた。


「姫華って、すごかったんだな」


「俺よりすげぇ」


悠斗は、模試で全国2位という頭を持つ。


そんな悠斗がわからなかった問題を、一瞬で解くとか…。


「輝は知ってたんだろ?」


「…香菜から聞いていたのは、全国模試で1位って事だけだ」


全国模試で1位!?


そりゃぁ、すごいわけだな。


「…俺2位だった」


それもすごいと思うし、落ち込むほどでも…。


「それより、姫華を追いかけるぞ」


「「ああ」」


そうして、俺たちも屋上へ向かった。