私は全国No.1の族・蝶華-チョウカ-の総長をしていた。


〝していた〟


そう、ついこの間引退したんだ。


引退してからケンカもしてないから体が疼いて、その矢先の校長事件。


イライラしてたからと言って、感情を抑えられないのは総長時代からの課題だった。


蝶華…か。


みんな…どうしてるかな…。


ぼーっと、天井を眺めていると、扉をノックする音がする。


…ん?


誰かきた?


「は~い」


入ってきたのは、10代の娘がいるようには見えないくらい若いお母さん。


「お父さんが呼んでいるわよ」


「お父さんが?」


お父さんが…ねぇ…。


嫌な予感しかしないんだけど…。