~蝶鈴I~

「なぁ」


「ちょい、いい?」


二手に分かれて聞き込みをするが、知らないと首を横に振る者たちばかり。


「…どうだった?」


誰も知らねぇみたいだし…。


結構な人数に聞いたのに誰も知らないなんて…。


「全然…って、姫華一!」


は?


姫華?


准也が指さす方を見ると、確かにこちらに向かって歩いてくる姫華の姿。