「和真?私が誰か分かんないの?」


私はすぐに気づいたよ?


「やっぱり知り合いか!?ちょっと待てよ!」


…待つの?


何分かかんのよ、それ。


和真、考え始めたらわかるまで悩むからな〜。


仕方ない。


「別にいいけど。そのかわり、担任呼んで。担任にこの学校のこと説明してもらうから」


「ああ、少し待ってろ」


そう言って和真は放送室へ行ってしまった。


サラサラの、地毛ではない、カツラの髪を一束掴む。


髪も目も黒だから気づかないのかな。


その上、メガネもしてるし。