「じゃ、いってくるね。康史も、帰った らゆっくり寝なよ」
「ああ。…冬華、何かあったら連絡して こいよ」
「うん。まぁ、大丈夫だとは思うけどね」
「いやいやお前ね、十代の男の頭の中な んざそれこそ本能赴くままに動く動物と 同じようなモンだぞ。んな群れの中じゃ 、お前がいくら強かろうが何が起こるか わかんねぇだろーが」
「いや、まあ…それはそうかもしれない けど」
「それだけじゃねーよ。この高校、色々 とややこしい奴らが多いし。俺の可愛い 妹に何かあったら洒落になんねぇ。だか ら、何かあったらすぐに連絡寄越せ。変 な遠慮とか、面倒くさがったりすんじゃ ねーぞ?」
「ハイハイ。わかった、わかりましたー 。いつから康史が私の兄になったか知ら ないけど、頼りにしてるから」
若干会話が面倒になってきた私は、適当 に返事を返し強制的にやり取りを終了さ せる。
すると私の返事に渋々ながらも納得した のか、康史は微かに笑って私の頭を軽く 撫でると大人しくバイクで走り去ってい った。
