トーストにベーコンエッグ、サラダにヨ ーグルトなど、簡単な朝食が用意されたダイニングテーブル。 そこにはコーヒー片手にニュースを見ている康史も座っており、キッチンからはバタバタと忙しなく動き回る姉がこちらへとやってきた。

「華那(カナ)姉、康史も、おはよ」

「あ。おはよ、冬華!今日から学校かぁ 、制服とか何か新鮮ね!まぁ、アンタなら大丈夫でしょうけど。適当に頑張んなさいよ、高校生」

「うん、わかってる。華那姉はもう出るんでしょ?いってらっしゃい」

「うん、じゃ行ってくる。康史!冬華のこと頼んだわよ!」

「はいはい、了解しました。ちゃんと学校まで送り届けるから、安心しろよ」

あっという間に出ていってしまった姉を見送ると、私はダイニングの椅子を引き康史の向かい側に腰を下ろす。 並べられた朝食に両手を合わせ、いただきますと呟いて食事を始めた。

「二人共さ、登校するだけだってのに大袈裟すぎ…」

「そう言うなよ、お前が面倒くさがって初っぱなからサボらねーか心配してんだ ろ?一応」

「さすがに最初くらいは行くわよ」

「サボらないとは言わないんだな」