君がくれた。

見た目を裏切らない、むしろ想像以上に美味しいお弁当のおかずに私は舌鼓をうちながら、博人に貰った緑茶のペットボ トルの蓋を開け喉を潤す。そして、先程から何故かずっと感じている、何かが引っ掛かるような違和感に、その正体を探すべく視線を動かした。大河や椿は、相変わらずお弁当のおかずを取り合い、賑やかに食事を続けているし。博人に至っては食事もそこそこに、巷で人気のコンビニスイーツを一人別の机に大量に並べ、シュークリームやプリンなどの定番スイーツを口に運び、さらには味も様々なロールケーキを並べそれはもう見ているこっちが胸焼けしそうな勢いで、幸せそうに頬張っている。そんな中で一人、黙々と食事をしている人物。違和感の原因、それは強烈な自己紹介を初っぱなからかましてくれた楓だった。…わかった。コイツ、元々お喋りなタイプに見えないけど、それでも椿が来てから、一言も喋ってないんじゃない?さっきは確かに凄い形相で女嫌いを主張してたし。まあその真逆に位置してると言ってもいい椿と仲良し、なんてのはあんまり想像もつかないけど。でも、椿まで楓に話し掛けないとかは、なんかちょっと意外な気もする。

何でだろうと、考えることに集中していた私はいつしか自然と楓を凝視したまま固まっていて、そんな私の視線に気付いたのだろう。楓が顔を上げて視線がぶつかれば、あからさまに顔をそむけ…はしなくとも、険しい表情で何見てんねんと威圧的なオーラを放ってきた。何コイツ、本気でムカつく。それにイラッとした私は即座に考えるのを止めて、食事を再開するのだった。