「…ってことでー、俺さっき起きてまっすぐここに来た訳じゃん。だから、スッゲェ腹減ってんだよね~。それ、博っちの弁当でしょ?俺も食べてっていい?」
「って、聞いてる端からつまみ食いしてんじゃねーよ!」
重箱の唐揚げへ手を伸ばし返事を待たずに一つ口へ運んだ椿に、大河が文句を言い睨みあう。きっとこれは、いつものことなのだろう。博人が袋に入った使い捨ての箸やスプーンを二人に差し出すと、間に入り声をかける。
「あー、ハイハイ。食べていい。食べていいから、手掴みは止めて!ちゃんと、箸用意してるから!」
「サンキュー、博っち」
「あー、クソ何か無駄に疲れて余計腹減ったぜ!いただきまーす」
素直に箸を受け取って弁当にがっつきだした二人に、博人は使い捨ての取り皿を渡して、更に飲み物まで手渡している。…本人を目の前にしてこんなこと言っちゃ悪いけどさぁ。なんか、ちょっとお母さんみたいよね。二人の世話をやいている博人の姿を、感心しながら見つめていると、そんな私に気が付いたのか博人は笑顔を浮かべ私にも箸と取り皿を差し出してくれた。私はお礼を言ってそれらを受け取ると笑みを浮かべ、あっという間になくなってしまいそうなお弁当へ両手を合わせて箸を伸ばした。
