君がくれた。



大河と軽く言い合いながらも立ち上がった茶髪は、バラバラだった机4つを固めて場所を作り、風呂敷に包まれた艶やかな重箱を取り出すとそれを開いて並べ始める。うわ!彩り鮮やかだし、もの凄い美味しそうっ!

これをあの博人とかいう茶髪男子が作ったというのが、信じらんない。女子的にはこういう時、どう反応するべきか悩む所だけどそんなの私は気にしない。

「楓(カエデ)~、お前もんな所で煙草吸って携帯弄ってねぇで、一緒に飯食おうぜ」

「ああ」

食事を促す大河の声に楓と呼ばれた黒髪はくわえていた煙草の火を消し、操作していた携帯をしまうと静かに此方へと近付いてくる。 そして大河の背後に立っている私の存在を、鋭い漆黒の眼差しで捉えるとあからさまに眉を寄せこちらを睨み付けてきた 。 確かに私はいきなりここにお邪魔した訳だし、色々言いたい気持ちはわかる。 でもさすがに初対面の人間に、ここまで敵意を含んだ視線を向けられる謂れは無い。感じ悪いな、コイツ。