君がくれた。

「あー、腹減った。博人(ヒロト)、飯ー 」

教室の戸を開けながら声をかける大河の 後ろに続いて中へ入ると、そこに居たの は二人の男子生徒だった。
一人は頭に細い緑のカチューシャをつけ前髪を上げている茶髪と、もう一人は眼鏡をかけて煙草をくわえたまま携帯を弄 ってる黒髪。
そして大河が話かけた博人というのはどうやら茶髪の方だったらしく、雑然とならんだ机の一つに片肘をついたまま此方を見つめて呆れたように言葉を返してきた。

「大河、お前ねぇ人様へ放つ第一声がそ れかよ。俺はてめーの嫁でも何でもない んですけど」

「ハハ、わかってるって、でも博人の料理の腕半端ねぇし。俺もうお前の作る飯に、ガッツリ胃袋掴まれちまってるからさぁ」

「ったく、調子のいいこと言ってんじゃねーぞ。お前にそんな風に言われても全然嬉しくねぇから。そんなんじゃほだされねぇよ」

「じゃあお前が通ってる洋菓子店の特大シュークリーム、あれでどうだ?」

「チッ、仕方ねぇ。そんじゃあれ二つで手をうってやるよ」

「うぇ、マジかよ。お前本当に甘いモン好きだよなぁ。俺お前に付き合ってあれ食った事あるけど、正直半分くらいでギブだった」

「あの片手以上あるサックサクの生地に、たっぷりみっちりそりゃもう溢れんばかりにカスタードクリームが詰まってんのが最高なんじゃねーか」

「博人お前、甘いモンの話する時だけ異常にイキイキするよな。普段はやる気の欠片もねぇくせに」

「ウルセェ」